小宇宙、燃えてる?

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「ミステリというなかれ」はムカつく?面白くない?冗談でしょ。これぞパラダイムシフトを起こした、ニューノーマルの時代のミステリー

こんにちは!
今日もコスモ全開、リーマン・マスクです
自己紹介はこちら



今、月曜21時から菅田将暉主演で放送しているフジテレビのドラマ

『ミステリと言う勿れ(なかれ)』
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このドラマの原作は
7SEEDを代表作に持つ田村由美さんの漫画で
『月間flowers』という雑誌で連載中の
2022年2月現在、まだ未完結の作品です

また、ドラマの主題歌はKing Gnuの『カメレオン』

youtu.be



この作品の主人公、久能整(くのうととのう)は、観察眼はズバ抜けて高いが、別に探偵業の知り合いがいる訳でもなく、それに憧れてる訳でもない、平和で平凡な日々とカレーをこよなく愛する、一人暮しの大学生

そんな久能が、ある日突然、殺人犯の容疑をかけられてしまう所からこの話はスタートします


そしてハッキリ言って、この作品の登場で、今までのミステリーは
『過去のモノ』になりました


その理由の大きな1つとして
今までの『真実は1つ』と、いうスタンスから

『真実は人の数だけある』

と、いう全く新しい考え方の
『パラダイムシフト』を起こしているからです
まさに『ニューノーマルの時代』を牽引していく作品といえるでしょう


それぐらいインパクトのある作品ですし、自分はこの作品が大好きです


けど、インパクトが強烈だからこそ、それに対し

『ミステリという勿れ(なかれ)はムカつく』


と、いう意見があるのも事実です

もちろん、自分からしたらこんな素敵な作品に対してそう思う人がいるのは、少し残念な気持ちはありますが、それ以上に、なぜこの作品に対してそういう感想を持つのか?

それが気になったので、まとめ&考察してみました

なので今日は、それについて、ミステリと言うもの勿れ(なかれ)の魅力と共に伝えていきます


1・ミステリというもの勿れ(なかれ)のムカつく理由

ミステリというもの勿れ(なかれ)はムカつくというモノを、Twitterから集めてみました

ちょっと見ていきましょう

この作品が好きな人からすると、斬新な意見だと思います

A・説教臭い

これは結構ありました

要は、久能整は確かにいい事言ってるけど、だからこそ説教臭く感じる
と、いう意見です

ただ、中には説教臭いけど、それがいいという声もちらほら


と、こんな感じです

そして『説教臭い』と感じる人にはそれなりの理由があるみたいです

ちなみに、人が説教臭いと感じる時は、心の中ではそれを分かっているからです

けど、それを認めてしまうと、今まで自分がやってきた事を否定する事になってしまったり、また、やらずにきてしまった事を認識せざるを得ない状態になってしまう

だから説教臭いといって敬遠するんです
もちろん自分もありますし、誰にでもあると思います

そして、この作品を見てそう思った人は、それが『自分の中』にあったという事だ思います

自分の心の中になければ、人はそれを感じませんので

B・フェミニスト臭がする

フェミニスト臭。いわゆるフェミ臭と呼ばれてるモノ
これがこの作品からは結構するとの意見がありました

それがこちらです

また、フェミニストそのモノが良くないとする意見もありました

ちなみにこの方の言うように、自分もフェミニストの思想で過去の作品が改変・改悪されたり、極端な清潔思想を蔓延させるのは反対です

実際自分もこの記事
le-mask-amrta.hatenablog.com

ここで、それについての害悪はハッキリ伝えました
このままでは思想や表現が死ぬと

ただ同時に、フェミニストとかフェミ臭という言葉で、彼、彼女達の意見を、最初から全て良くないと決めつけたりするのは、またどうかと思います

1つ目は、相手にも必ず、それを発言するに至った経緯や考え方があるハズだからです

2つ目は、ただ否定だけしてしまうと、それのいい面を知る機会を自ら失ってしまうからです

ちなみに自分がこの作品を観た限り、フェミではないです
少なくとも過剰なフェミは無いです

あるのは『今まで光を当ててこなかった部分』
そこに優しさを照らしてるだけです

C・ミステリーがおまけになってる

ミステリーとしてどうなのか?
そんな声もありました

言ってみると、本格的な謎解きを楽しむというより、それに付随する『人の考えとかがメイン』で描かれていて、ミステリー物としては本末転倒してる
と、いう意見です

確かに、そこはあるかもしれません
実際、だからこそ新しいスタイルな訳ですから

ただ、本格的ミステリーだ。という声や、金田一等とはまた違った謎解きだという声もありました

今まで、どんなミステリーにどれだけ触れてきたかが、賛否の分かれ目になるかもしれません

ただ、話とはいえ、菅田将暉演じる主人公
久能整の観察眼はマジで半端じゃありません

久能からしたら、ただありのままを見てるだけなんでしょうけど、彼の観察眼とそこから生み出される推理力は、歴代の名探偵達にも決して引けは取りません

2・ミステリというもの勿れ(なかれ)の面白いところ

ここまでは、この作品の面白くないと言われてる所をまとめてみました
けど、自分はこの作品が好きなので、今度はこの作品の良いと思う部分を伝えます

A・『等身大の言葉』で作られた名言

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金田一が奇抜なトリックで、コナンが黒の組織との戦いだとしたら
このミステリと言うもの勿れ(なかれ)の一番の特徴は、何といっても
『久能整の名言』です

これがこの作品を形作っています

なので、確かに先ほど見たように、謎解きがおまけだと言われてしまえばその通りなのですが、だからこそこの作品の良さが際立っているんです

そしてその明言は、久能整がどこかの本に書いてある事を引用している訳ではありません

彼が相手と話して、その相手すら気付いていない心の領域に光を照らして、そこを言葉にして伝えてあげる

その言葉がそのまま名言になるんです

ちなみに、彼の口から
『僕は常々思ってるんですけど。。。』


と、いう言葉が出たら、その名言の始まりです

B・今までとは違う視点

a・登場人物全員に『気付き』を与える

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じゃあ、実際、どんな名言が出てきて、その結果相手がどうなるのか気になるところですよね?

えっ?想像がつく?
最後に犯人を暴いた後に、犯人を諭して犯人が泣いたり後悔する
そんな感じでしょ?



違うんです


この作品、犯人を暴いた後に諭すのではなく、久能整が色んな人の気持ちを諭してあげてる内に、自然と真相に辿り着いてしまうんです

そしてここからさらに凄いのが、犯人含め
『自分ですら気付いてない心の深い部分』
ここを照らされる事なんです

あまり多く語るとネタバレになりますが、いくつか紹介していきます

b・『本当の罪』は復讐ではなく、家族を顧みなかった事

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ある事件で犯人は自分の家族を失い、彼はその『復讐』の為に犯行に及びました

そして
『悪いのは自分の家族を殺したアイツだ』
『自分は復讐をしただけだ。家族も気きっと喜んでくれている』


その犯人自身、そう考えていました

なので、自分が犯人だと暴かれても
『そう上手くはいかないか。。。』

ぐらいの落胆ぶりだったんです


ただ、その犯人に久能整(菅田将暉)は言います

『復讐は楽しかったですか?』
そして
『生きている時は仕事を休まず家族を顧みなかったのに、復讐には時間を割いた』
『子供の視点から見たらそう見えてます』
『なので、もう一度尋きます。復讐は楽しかったですか?』


その言葉に、自分が犯人だと暴かれても怒らなかった犯人は激怒しました

けれど、久能整がその後さらに言葉を投げかけ諭す事によって
彼は自分の『本当の罪』に気づく事になる

それは復讐よりも、家族が生きている時に、その家族の事を全然見てあげてなかったという罪

彼はそれに気づき、自分が犯人だと暴かれた時には流さなかった涙を流し続けて後悔した

そしてこれから刑と同時に『その罪の贖罪』をする事
それは、まだ家に残っている家族の生きた証を探していく事
それこそが自分に唯一出来る事だと悟ったのです

c・イジメられる方は逃げなくていい。イジメる方が隔離してカウンセリング必要だ

さっきのは犯人への諭したが、これなんかはこの作品特有の、犯人ではない人への諭です

とある事情で久能整は犯人に軟禁され、そこには何人かの人が同じく軟禁されてました

そして、そこでそれぞれの素性を話していきます
その時に、その中に、昔学校でイジメられ、人とコミュニケーションを取るのを恐怖に感じるようになってしまった青年がいました

彼は、そのせいで自分はダメなヤツで人間として問題があるんだ
と、苦しんでいました

そしてその時の事を思い出し
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『自分だって逃げたかった』
『でも、逃がしてもらえなかった』
『だからこんな人間になってしまった』

と、その場で泣きながら語りました
彼がイジメで受けた傷は、今でも彼の心を罪悪感と劣等感で支配していました



その青年に久能整は言いました

『どうしてイジメられてる人が逃げなきゃいけないのか?』
『欧米ではイジメたヤツの方に問題があるとみて、カウンセリングを受けさせる』
『だって、どう考えても問題があるのはイジメてる人の心の方なんだから』
『もっと、周りがそういう事を自然に言える世の中になったらいいと思います』


イジメを受けて自分に問題があると苦しんでいたその青年は、久能整のその言葉によって気づきを得て救われました

自分は生きてていいんだと

イジメられたせいで自分自身を許せなかった青年は、この時、自分を許し、ここからしっかり前を向いて生きていこうと決意しました

C・真実は人の数だけある

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a・事実は一つ。けれど、真実は無数

ここがこの作品の根幹とも言える部分
いわゆる『イズム』という部分です

金田一にしろコナンにしろ、真実を解き明かす
真実は一つなんだから

のスタイルです

もちろん、これはこれでメチャメチャ面白いです!
自分はちょうど世代だし、彼らの謎解きにテンション上がってました


ただ、社会に出てからいつも思ってました

『真実は本当に1つなのか?』と

実際、仕事をしてると真実は1つどころか、本当に人の数だけあります
その中で、自分は『どの真実』を選んでいくか?

それが生き方を決めていく
そんな場面が何度もあったからです

学生の頃は『正解=真実=1つ』でしたけど、社会に出ると違うんです

それに今の社会は、以前
le-mask-amrta.hatenablog.com
で、書いたように『自分達で正解を創っていく』時代です


ここに、このミステリという勿れという作品は、ピッタリ当てはまるんです

なので、ニューノーマル時代のミステリーだと言えるんです

b・犯人の真実も他の人の真実も『同じ重さ』で語る

この作品の『真実は人の数だけある』
と、いうイズムは『真実の重さの平等性』にあります

これはもの凄く画期的です

今までのミステリーも『犯人の真実』は凄くしっかり描かれていました
ただ、それ以外の人の真実は?

と、いうと、そこまでではなかったと思います

仮に少し描かれていたとしても、それは
『事件に関係のある背景として』描かれていたんです

けど、このミステリと言う勿れは違います

『事件に関係ない真実』を描いていってるんです

例えば、さっき伝えたイジメの話は、事件とは全く関係ありません
また、その場にいた他の人の真実も描かれますが、それも事件とは全く関係ないんです

ただ、久能整が、一人一人の人の心に光を当て、それぞれの真実に気付いていく『その中の1つとして』犯人の真実も明らかになる

ここが秀逸なんです


犯人の真実だけが、特定の人の真実だけが凄い訳じゃない

真実は人の数だけあって、それに優劣は無い
その人の真実こそが、その人にとってかけがえのないモノ

そのメッセージを、この作品は穏やかに、優しく
そしてハッキリと気付かせてくれるんです

こんな優しいミステリーは今まで知りませんでした

3・ニューノーマルの時代は『裁き』より『気付かせ』だ

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以上の事から、このミステリと言う勿れ
この作品が本当にニューノーマルの時代のミステリーだという事がハッキリしたと思います

そして、この作品から見える、今の時代を照らす1つのキーワードがあります

それが『裁きよりも気付かせる』
これです

そして、これこそが本当に大切なんだというメッセージが伝わってきます


今までは絶対的な価値観があり、それからはみ出たりしたモノは異端
落ちこぼれ。社会不適合者
そんな時代でした

でも今は変わってきてます

個々がメディアを持った事による、それぞれの価値観の発信
ネットを通じた、権力の恣意がかかりにくい情報の取得による自己思考の向上

そこから、多様な価値観が生まれてきています

今まで良かったモノがダメになったり、逆に、今までダメだったモノが許される時代になってきています

けど、だからこそ、皮肉な事に今度はネットの全体主義の蔓延により
『自分の真実』が見えにくくなってしまっている時代だとも言えます

何か変わった事を少し言っただけで叩かれる
一度の失敗で二度と立ち上がる事が出来なくなるぐらい、関係の無い人たちが吊るし上げる

これでは結局裁きです

でも、これから大事なのは『個々が気付く事』
自分にとっての真実が何かという事に

それに気づいた時、人は人に優しくなれるからです

自分の真実を見つけた人は、相手にも相手の真実がある事を理解出来るからです


このネットにより自由を手に入れられる時代を『裁きと争い』の時代にするか『気づきと理解』の時代に出来るかは、自分達が心の中に、光を当てれるかどうかにかかっていると思います

4・まとめ

・ミステリというもの勿れは主に3つのムカつく理由を言われている
・説教臭い
・フェミニスト臭
・ミステリーがおまけ
・逆に、ミステリというもの勿れの面白い点は主に3つ
・等身大の名言
・描く視点が今までとは違う
・犯人と他の人の真実の重さが同じで描かれてる
・ニューノーマルの時代、今こそ裁きから気付きへ

今日はこんなところです

繰り返し言いますが、この作品は本当に面白いです
自分はテレビは普段、本当にほとんど観ません
年間5-10分ぐらいです

でも、本当に面白いドラマは観ます

原作が好きで、菅田将暉が合ってない
そう思う人。気持ちは分かります

自分も始まる前は、彼には申し訳ないけどそう思ってました

けど、メチャメチャハマってます
菅田将暉は完全に久能整を生きてます

そして、今回の話で伝えたように、この作品はニューノーマルの時代に必須のイズムがギュッと濃縮され、そして、優しい香りで伝えてくれます


『FOD(フジテレビオンデマンド)』

ここでいくつか無料(会員登録なしでも)で観れますので、オススメです


原作漫画は『U-NEXT』で無料でかなりの話数読めます(会員登録あり)



ニューノーマルの時代を、争いではなく気付きと共に楽しく生きていきたいですね




じゃーーー明日もコスモ全開でやっちゃいましょ!